nopoZさんのブログブログ一覧
土屋アンナという女2008.07.08 17:39
●ラブストーリーと取材依頼は突然に
昨年の9月頃、務めていた出版社を出奔し、流浪の身になったばかりの拙者の携帯に突然の依頼が舞い込んだ。
それは、色々な雑誌のコーディネーターをしているTさんからだった。
『Nちゃん、誰かインタビュー出来る人、知らない? いつも頼んでるライターさんがスケジュール合わなくってさぁ・・・』との事。
『あのぉ〜、拙者もいちおうインタビュアーなんすけど・・・w』と答えると
『じゃ〜、Nちゃんやってよ。ギャラ安いけどいいよね?』とTさん。
Tさんは“素晴らしく勝手な人”と業界(というより身内w)では有名で安いギャラがいくらなのか、インタビューする相手が誰なのかも分からないまま一方的に話が
決まる。
「まー、フリーになったばっかりで暇だったんで良いんだけど、超展開だなこれは」と電話越しに苦笑いしながら
『で、インタビューって誰にするんです? 何聞いたら良いんすか?』とふてくされながら訪ねる。
『土屋アンナちゃんって今、若い子に人気のあるモデルの子なんだけど知ってるでしょ? うちでやってるGAP PRESSってコレクション誌のインタビューなん
だけど、どうかな?』というTさんに対して、拙者はありのままの返答をした。
『土屋アンナって誰っすか???』・・・・・
そう、“テレビは頭を悪くする”の考えの元、ニュース番組以外のテレビは、まったくと言っていいほど見ない拙者は土屋アンナを知らなかった。
●インタビュー前はリサーチあるのみ!
その後の話で、10代後半〜20代前半の女子のファッションアイコンになるほど絶大な人気を誇っている事。『下妻物語』、『さくらん』など最近では映画で女優
としても活動してる事。ドコモのCMに出演している事。更には歌手としてもデビューしている事、などなど多方面から湧き溢れる彼女の活躍を延々と聞いた。
1P丸々、インタビューだと言うのでリサーチあるのみと片っ端から彼女の事を調べる事に。
明らかに土屋アンナを大好きであろう世代の女子に電話すると、
『えぇえぇー!!アンナに会えるのー!!いいなぁー!!うきゃー!!』と即座に絶叫され思わず電話を切りそうになる。これだから若い女は苦手だ。
がしかし、それだけ人気があると言う事を知ることが出来ただけでも収穫はあった。その女子が言うには映画がやたら面白いとの事なので、その日のうちに主演映画を
借りてきてぶっ通しで見た。
“ハーフ”という人種がやたらメディアで活躍している、現在。
拙者は当初、欧米風のホリの深い顔やスタイルを武器にしているお飾りの“人形”のような人物ばかりと思っていた。
土屋アンナはそんな未熟な固定観念をあっさりと打ち消してくれた。
『下妻物語』、『さくらん』で見る彼女のハードコアな演技は、これまでの日本人女優では到底出せないであろう独特の味があった。
とてもつもなく強いのだが、どこかしら女性らしい切ない弱さがある。
こんなカッコいい女は若い子から憧れられて当然だ、と・・・見終わる頃にはすっかりファンになってしまった。にわかファン、ここに誕生w
同時にインタビューに際してちょっとした不安が生まれた。
スクリーンの中でただ立っているだけでも異彩を放っている彼女。
ハードコアな演技で強い女を演じている彼女。
それが・・・インタビュー中はずっと大人しく、口元に手を当てながら『あら、映画見てくださったんですね。あれは演技ですのよ。オホホホホー。』と笑う、ハイソ
ぶった普通の女だったらどうしよう?というものだった。
そんな嘘を書くようなインタビューは死んでもしたくもないから!
●事実は映画よりも奇なり
さて、それからすぐにインタビュー当日があっけなく訪れた。
“普段、誰をインタビューしてもまったくキンチョーなんてしねぇー! 人間は人の上に人を作らず・・・だろ?”が売りな拙者でしたが、初めて取材前に緊張した。
もうだいぶファンになってしまったからだろう(笑)
忙しいであろうスケジュールの合間を頂き、撮影を行っていると言う新木場のスタジオにTさんの単車のケツにまたがって出動♪
到着すると、ちょうど前の撮影が終わったばかりらしくメイクルームへと案内される。
ドアを開けると、鏡を見ながらメイクを直しているアンナがすぐに目に入った。
居た!!アンナが居た!!と心躍るも・・・
「そんなファンっぽい仕草を見せたら負けだ」とニートみたいな意味不明な強気で自分を後押しし席に着く。
『よろしくお願いしま〜す♪』という月並みな始まりの挨拶を全員が口にしだすと同時に、
アンナは目の前にあるソファーに横になった。
開口一番、『ごめんねぇ〜。こんな格好で悪いけど・・・このままインタビューでいいかな? いやぁ〜、昨日も遅くまで飲み過ぎちゃってさぁ〜。』とアンナは言っ
た。
とても一児の母とは思えんw
最初っから・・・なんてイメージ通りなんだ!と感動した。
インタビュー前に描いていた不安が無意味だったと身をもって体感。
実物は映画のキャラ以上のオーラと存在感を持っているじゃないか。
メインは、ファッションのコレクション誌と言う事もあり、モデル業やファッションに関して質問すると気さくに自分の言葉ですらすらと語ってくれた。
“東京ガールスコレクション”という109系の参加型ファッションショーの話を聞いたのだが、『あれってソフトバンクがスポンサーでしょ? もう何年もずっと出
てたんだけど今年はドコモのCMに出ちゃったもんだから干されちゃってさ〜(笑)。』と普通は包み隠すようなことさえも開けっぴろげに話してくれるあたり、最高
にアンナらしい!!
誌面を作る上で必要な要素を全て聞き終わり、ここからが趣味の質問スタート!!とばかりに残り時間を使って映画や音楽の話に触れてみると、
本人もこっちの方が話したかったとばかりに目を輝かせてアツくアツく語り始めた。
『下妻見た〜? あれ、面白いでしょ? “ジャスコだよ!”ってね。』と映画の名台詞まで生で頂戴し、大満足♪
さらに出演映画や音楽について、本人からあれやこれやと引き出すことに成功!
映画に出た本人にも作品の“好き嫌い”はあるらしく、『嫌われ松子』なんかはまだ見てもいないそうだ(笑)。と、面白いこぼれ話の連続。
これこそインタビュアー冥利に尽きるってもんだ!
インタビュー中、終始、強気な女で居たアンナだったが
最後にした『今後の目標は?』という質問に対しては悲しい顔で言葉につまりながら答えた。
『・・・目標は、やれるだけのことすべてをやる。こうやりたい、ああなりたいっていうのもあるけど、今は音楽が一番好きなのでこれはずっと続けていきたいな。モ
デルもずっと続けていきたいけど…年齢もあるし続けられるまで一生懸命頑張っていきたい。デカい目標ってよりは目の前のことをやり遂げていけたらいいかなって感
じ。』
初めて見せた不安そうな顔。23歳にして一児を持つシングルマザー。
ショービジネスの世界は輝いているように見えて、その分、辛い事も多いのだろう。
アンナはやはり、強気だがどこかしらに女性らしい弱さを持つ一人の女性だった。
帰り際に『頑張ってねぇ〜。』と声をかけた拙者に・・・
『おう。死ぬまでやってやらぁ〜♪そっちも頑張れよぉ〜!』と叫んだ。
●そぉ〜れっから?(忍者ハットリ君風♪)
最近、元夫の死という事件が彼女を襲った。
でも、その後、劇場版のアンパンマンの試写会では笑顔で登場し、自分の子供へ『母ちゃん、やったぞー!』と一言。
そんな彼女の姿はどんな困難にも打ち勝つ、カッコいい女性だった。
しかし、普通の女性と同じように、きっと心の中では泣いているんだろう。
それをやたらと人に見せられないのがショービジネスの厳しさだ。
“武士は喰わねど高楊枝”という痩せ我慢をあらわした言葉があるが、
彼女はそこでいう武士なのだ。女性だから武家の娘ってところか。
彼女のオフィシャルHPのプロフィールの最後に、
『いまや“モデル”“女優”“歌手”“日本人”いうジャンルでは語りきれないその「存在感」は他に類を見ない。「21世紀のPOPアイコン」としての“土屋アン
ナ”から目が離せない!!』という一文がある。
彼女はハーフであるが、
“痩せ我慢の美学”を持つ、最高に“日本人”らしい女性なのだ。
●
拙者が行ったインタビューの掲載誌はこちら♪
amazonでは取り扱っていないと言う流通範囲の狭さにびっくりw
Gap press collection v.80
http://www.boople.com/bst/BPdispatch?nips_cd=9982674781
ちなみに原稿料はCDアルバム2枚買うのに1000円足さなきゃってくらいの安さでした。価格破壊!!
《写真》
インタビュー時に貰ったアンナのサイン。
縦横両方逆になってますが…w
メモ帳に書いてもらったのですがうっかり裏面にくだらないメモを書いてしまいました。
うーん、残念。もったいないお化けが出てきそう。


Google
LINE
yahoo
X


